変動費や固定費を確認しておくことも必要ですが、自分の人件費を捻出するためには、一体いくらの売上高が最低でも必要なのかを、確認しておかなければなりません。
人件費を補うためには、一体、どのくらいの売上高が必要なのでしょうか?
その計算式は、会社の代表的な数字を使って計算できます。
「人件費を補うために必要な売上高」=「人件費総額」÷「粗利益率」×「労働分配率」
「労働分配率」は、業種によって異なるのですが、まずは、ざっくり、「70%」として計算して問題ありません。
売上がなければ、赤字となり、人件費を払えなくなるので、この計算式を使って、最低でも売上なければいけない金額を把握しておかなければなりません。
架空の会社の決算書を使って、計算してみたいと思います。
売上高:1億4200万円
売上原価:35万円
粗利益率:35万÷1億4200万円×100%=99%
役員報酬:2460万円
その他人件費:480万円
給料手当:2800万
賞与:350万円
福利厚生費:38万円
人件費総額:6128万円
月平均売上:1170万円
1170×3=3510万円が限度。(※融資を受ける場合の概算金額)
6128万÷99%×70%=8754万円。
注意しなければならない人件費総額とは、社員の給与だけではなく、必ず支払が必要となる社会保険料や厚生費を加えて計算しなければいけません。賞与や役員、アルバイトなども支払があれば、それらも加えて、それらすべての合計を人件費総額として、売上高を計算しましょう。
労働分配率は、細かく分からない場合は、一律「70%」と考えていても差し支えありません。
しかし、粗利益率は、業種によって、大きく変わりますので、決算書の数字を使って、正確な粗利益率を把握して、計算すると具体的な数字が見えてきます。気を付けなければいけないことは、粗利益率が100%に近付くほど、本当に、その粗利益率が妥当なのかを検討する必要があります。原材料が必要な業種の場合は、ある程度の粗利益率が、肌感覚で理解できますが、セミナー講師、ウェブサイト制作など、材料費が目に見えない場合は、粗利益率が高くなりがちです。しかし、計上していない、売上原価が発生している可能性が有ります。
上記の例も決算書の数字であっても、売上原価がたった35万円の場合、粗利益率が100%に近い数字になっています。このような場合は、経営指数を見誤る可能性が高くなるので、勘定科目などをもう一度、精査する必要があるかもしれません。
上記の例で計算すると、人件費を捻出するだけの必要な売上高は、8754万円となります。
しかし、これには、地代家賃などの固定費が含まれていないので、それらの具体的な固定費が決まっていれば、それらも確保しなければ、赤字となってしまいます。
人件費以外の「固定費」や「変動費」もはやり把握しなければいけません。
しかし、この計算は、ある事業の予算を組む時などは、人件費のための必要な売上高が予測できるので、有効に使えます。
投稿者プロフィール
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大学を卒業して、映像プロダクションに勤めました。
数社を渡り、福岡市インキュベート施設で独立。
2000年:映像音響処理技術士
2013年:マルチメディア検定エキスパート
2014年:Webデザイナー検定エキスパート
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