ビジネスが加速する、ライフワークがもっと快適になる。
地下鉄七隈線延伸事業について、事業概要をPRするための広報動画の提案競技がありました。七隈線が博多駅まで延伸され、他の交通機関との乗り換えがさらに便利になり、物流の流れがますます加速していきます。開業予定は平成32年度ですが、きっとあっという間です。博多駅の再整備事業も気がついたら終了し、今では、博多駅周辺が便利で、そして楽しくてしょうがありません。
ここで、七隈線の魅力を少しお伝えしたいと思います。
企画提案するにあたって、案件に対してあらゆる統計データや市政データおよび基礎情報を集めますが、まず最初に驚いたのは、平成22年度に福岡市交通局が実施したアンケート調査、「地下鉄に関するアンケート」では、厳しい意見が多く見られたという事です。
端的に言えば、
▽赤字経営をやめろ
▽延伸しなくてよい
▽料金が高い
税金の使い方に注目している市民が多いのが特徴ですが、正確な情報を知らずに、イメージ先行の意見が多いなぁと思いました。
では、まず、赤字経営は本当なのか?
参照:平成24年度高速鉄道事業会計決算の大綱説明資料/交通局
(福岡市総合図書館にて閲覧できます)
平成23年と24年を比較すると、一日平均あたりでは、およそ180万円の収入増となっています。全体比率に換算すれば、およそ3%増。項目別に見ていけば、定期では、4.3%増で、買い物やレジャーではない、ビジネスでの利用が増えていると言えます。通勤や通学で毎日利用している市民が増えているという事で、安定した収入が増えていると言えます。
また、七隈線開業時の利用者の予測は、当時の経済状況悪化に合わせて、一日あたりの利用予測をおよそ11万人と下方修正しましたが(免許時には15万人と予測)、現在は、およそ37万人の利用と順調な推移を見せています。
加えて、福岡市の人口は、平成25年の5月に推計人口150万人を超え、神戸市に次いで、政令指定都市では、全国6番目の150万人を超える都市となりました。さらには平成22年10月から平成25年12月までの人口増加率では、全国一位という結果が出ています。(参照:国勢調査、各都市推計人口による)
政令指定都市 | 人口 | 増減数 | |
1位 | 横浜市 | 3,702,551 | △13,778 |
2 | 大阪市 | 2,683,487 | △18,173 |
3 | 名古屋市 | 2,271,380 | △7,486 |
4 | 札幌市 | 1,936,460 | △22,915 |
5 | 神戸市 | 1,539,751 | ▲4,449 |
6 | 福岡市 | 1,506,313 | △42,570 |
7 | 京都市 | 1,470,742 | ▲3,273 |
8 | 川崎市 | 1,448,196 | △22,684 |
9 | さいたま市 | 1,243,436 | △21,002 |
10 | 広島市 | 1,183,156 | △9,313 |
つまり、福岡の活性化は衰えておらず、また交通局が実施した平成22年の地下鉄に関するアンケートの結果では、空港線、JR、箱崎線との乗り換えを希望している声が多く、また西南部の大学生は、七隈線のおかげで、行動範囲が広がったことを実感している結果をみれば、延伸を期待する声も大いにあると言えます。
日本の公営の高速鉄道は総数で8つありますが、東京を除けば、どの公営の初乗り運賃は、同じ金額であり、150万都市として比較できる、京都や神戸の金額をみても、福岡の金額は、高くないのです。
参照:数字で見る鉄道2012/国土交通省鉄道局
以上の事を考えると、
▽赤字経営をやめろ
→七隈線開業年度から、徐々に企業債残高は減っており、また利用者増による収入増は、年率2~5%程度で、順調な推移をしていることから、深刻な赤字体質とは言えない。
▽延伸しなくてよい
→西南部の活性化と交通渋滞の緩和は、一定の効果が確認されており、博多駅への乗り換えが可能になれば、最も不満の多い乗り換えの要望に応えることとなり、延伸しなくて良いという意見と同じくらい延伸してほしいという意見があると考える。
▽料金が高い
→人口の多い東京と比較したり、民間の西鉄と比較するのは、比較対象として適切ではない。人口や鉄道距離が同程度の京都や神戸や仙台と比較すると、料金は、公営の高速鉄道として、同じ金額であり、適正価格である。
これらを踏まえると、延伸事業によって、福岡市がますます飛躍し、活性化する見込みがあるなら、一市民として、新しい七隈線と新博多駅に胸を躍らせ、期待するばかりです。
「ビジネスが加速する、ライフワークがもっと快適になる」そんな福岡市になってほしい。
追記:2018年9月26日
七隈線延伸事業は、道路陥没事故により、今後は、万全な安全対策を講じた上で、工事再開に取り組んでいるため、開業予定が遅れる可能性が出てきています。
事故直後は、平成32年度の開業予定でしたが、平成29年12月に、建設費と開業予定を見直した結果、2018年9月現在での発表では、開業予定は、2022年度となっています。
東京オリンピックに間に合うようにスケジュールを組んでいたのを、見直して、2020年にこだわらず、安全を優先した結果、2022年となっています。
詳細は、地下鉄七隈線延伸事業(天神南〜博多)における開業時期・事業費の⾒直しについてに記載されています。
追記:2020年9月14日
2020年9月現在、コロナ禍もあり、福岡も外出を控える方が多く、博多駅周辺の飲食店も閉店や撤退など、景色が様変わりしてきています。
大手チェーン店でも、不採算店なのか、効率化の為か、詳細は分かりませんが、大きなテナント面積を有する飲食店も、撤退しています。
七隈線沿線事業は、2020年にこだわらず、安全第一として、完成を目指していますが、入居予定のテナントなども、コロナ禍前の状況とは異なり、
一部変更をしている企業などもいるのではと危惧します。
コロナの終息を祈りつつ、活気に満ちた七隈線が、完成されることを祈念します。
投稿者プロフィール
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大学を卒業して、映像プロダクションに勤めました。
数社を渡り、福岡市インキュベート施設で独立。
2000年:映像音響処理技術士
2013年:マルチメディア検定エキスパート
2014年:Webデザイナー検定エキスパート
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