金融機関からの資金調達が困難になったときに使える「少人数私募債」って、ご存知ですか?

福岡県中小企業振興センターでは、
中小企業や小規模事業者のための経営相談窓口として、
福岡県よろず支援拠点という窓口があります。

こちらは、国の予算で運営されているとのことで、
無料で、相談やセミナーなどを開催している、ありがたい窓口です。

今回、「少人数私募債」についての活用と手続き申請について、
興味があり、セミナーに参加しました。

まず、基本的な資金調達方法には、以下の方法があります。

外部金融
1、企業間信用(支払手形発行、買掛金の支払い猶予による資金融通)
2、間接金融(金融機関からの短期借入、長期借入)
3、直接金融(少人数私募債発行、第三者割当増資などの株式発行)
内部金融
1、利益留保(事業活動による利益の内部留保)
2、減価償却(計算上の利益は、減少するが、資金流出がなく資金が残る)

「少人数私募債」は、「社債」の一種とのことで、直接金融として資金調達をする方法です。

直接金融とは、
金融機関を通さずに、直接に個人や企業から資金調達する方法で、銀行に頼らずに資金調達する方法です。

「少人数私募債」のメリットは、
担保や保証人が不要で、償還期間や利率を自由に設定できることです。

一方で、デメリットとしては、
償還時に、一括返済となり、返済時の負担が大きい。
また、募集先が限られ、十分な資金調達は難しいことです。

「少人数私募債」を利用するには、
株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、有限会社に発行が限られています。

つまり、個人事業主は、対象外です。

個人事業主は、やはり、銀行からの借入を計画的に行う事を考えなければいけません。

「少人数私募債」を使うタイミングは、
金融機関の融資枠を使い切っているときに、
資金調達して、事業をしたい場合に活用できそうです。

福岡県内の実際の発行事例では、
利率は、2%台や、3%台。
人数は、およそ10人や30人台、40人台

で、活用されている事例がありました。

「少人数私募債」を活用する場合は、
そもそも利率を下げた状態で、資金調達したい狙いがある為、次の点に注意する必要があります。

まず、発行総額が1億円を超えてしまうと、有価証券届出書を提出する必要があるため、
手続きが複雑になり、専門家への手続き手数料が発生してしまいます。

また、募集人数は、50名未満という上限がある為、
広く浅くという募集では、金額が集まらない懸念があります。

また、社長みずからが、facebook等で、告知した場合は、
公募とみなされるため、「少人数私募債」とは、判断されません。

その場合は、結局、公募債としての手続きや手続き費用が発生し、
コストが発生してしまいます。

「少人数私募債」を円滑に成功させる為には、いろいろと工夫が必要ですが、
制度をきちんと理解して、利用すれば、資金調達の方法としては、とても有効な手段だと感じました。

福岡県よろず支援拠点では、書類のフォーマットや手続きも相談に応じてくれるとのことでしたので、
申請する場合も、ハードルが高そうには感じませんでした。

利用したいと考えたとき、改めて、相談するのもよいと感じたセミナーでした。

更新情報を受け取る

投稿者プロフィール

画風
画風~伝える、わかる、ひろがるをあなたへ。~
大学を卒業して、映像プロダクションに勤めました。
数社を渡り、福岡市インキュベート施設で独立。

2000年:映像音響処理技術士
2013年:マルチメディア検定エキスパート
2014年:Webデザイナー検定エキスパート