2015年9月16日に、ソニーとオリンパスの両社が、外科手術用4K内視鏡システムを発表しました。
ソニーとオリンパスが協力した4K内視鏡
私たち、映像撮影の人間が使うといえば、ソニーのカメラで、一方、内視鏡といえば、オリンパスというくらい両社のブランドは、それぞれの業界では十分浸透していますが、
その両社が、協力して、開発をした「4K内視鏡」を発売するという事です。
記事によれば、
今回の共同開発では、2社が持つ「映像技術」「医療技術」「事業アセット」を結集したという。具体的には、ソニー側から「イメージセンサー」「カメラ」「画像処理」「モニター」「レコーダー」「光伝送」などにかかわる技術を持ち込み、オリンパス側からは「レンズ」「光学設計」「顧客の声活用(VOC:Voice of the Customer)」「外科領域販売体制」「サービス体制」などを持ち込んだ。
「高精細」の源泉は大きく二つある。オリンパスが得意とする「硬性腹腔・胸腔鏡」の技術と、ソニーが得意とする「4Kカメラヘッド」の技術だ。
「広色域」を可能にしたのは、両社の“絵作り”の技術だ。ソニー側からは色域規格「BT.2020」に対応するノウハウを提供し、「血管や血液など、手術時に重要な『赤色』の表現範囲をとりわけ広げた」(勝本氏)。加えて、通常の2倍の色調整軸を利用するオリンパスのノウハウによって、手技などに応じた最適な色作りを可能とした。
「拡大視」は、ソニーの4Kモニター技術が決め手となった。55型という、手術用モニターとしては非常に大きいサイズの4Kモニターを実現したことで、術者が没入感を得やすくなった。4Kには、内視鏡を患部に近づけるのではなく、撮影画像を電子(デジタル)的にズームすることで細部を観察できるという、ならではのメリットもある。この他、パネルの空気層を樹脂で埋めて反射光を抑え、写り込みを低減してクリアな画像を得る「オプティコントラストパネル」技術も盛り込んだ。
医療の現場では、レントゲン写真などは、モノクロのコントラスト比やグラデーションなどを見て、判断するので、実写のカメラ撮影でも、高度な撮影技術を持つカメラマンは、カラー画面ではなく、モノクロの画面で、フォーカスやフレームを見ていく。カラー画面が当たり前というカメラは、ハンディカムなどの一般消費者用カメラの話です。
白と黒のバランスやコントラスト比、それに加えて、暗部でのノイズの発生の有無などが、品質を左右しますが、
ハイビジョンや4Kでは、高精細になることで、さらにその精度の高さを求められます。
映像制作のソニーのカメラは、ブランドの信用力として、確立していますし、
厳しい成果を求められる医療業界の中で、オリンパスの内視鏡は、業界以外の一般の人にも広く知られています。
業界のトップ同士が組んだ、今回の「4K内視鏡」これはすごいと感じました。
テレビ番組などでの4Kは、出演者の毛穴までくっきり映し出してしまうため、芸能人の方でも、粗が気になってしまう事があるため、
個人的には、サッカーや野球などの広い画で臨場感を必要とされるスポーツ観戦では、効果的ですが、それ以外では、メリットとデメリットが相殺してしまう事があります。
しかし、医療の現場では、もっと正確に、もっと精細に、との情報が求められるので、
「4K内視鏡」は、多くの需要が生まれるのではと思いました。
4Kのビジネスとして、成功する予感がします。
この「4K内視鏡」で、今まで難しかった、外科治療ができるようになると思うと、
素晴らしいことだし、今まで以上に、ソニーやオリンパスを応援したくなります。
投稿者プロフィール
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大学を卒業して、映像プロダクションに勤めました。
数社を渡り、福岡市インキュベート施設で独立。
2000年:映像音響処理技術士
2013年:マルチメディア検定エキスパート
2014年:Webデザイナー検定エキスパート
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