ブルーレイ制作

MPEG2 Blu-rayは、試写レベルでも要らない

ブルーレイは、MPEG2 Blu-rayやH.264 Blu-rayなど複数の書き出し方法がありますが、現在は、MPEG2 Blu-rayで仮でエンコードして、試写ディスクを作る必要が無くなってきました。

Adobe Premiere Pro CS2,3,4あたりまでは、長尺で、レンダリング作業に時間ををかけたくない場合には、レンダリング処理の負荷が少ない、MPEG2 Blu-rayでエンコードして、Blu-rayのメニューなどを作り、試写用として、クライアントに確認作業をお願いしていましたが、2019年現在では、ビデオの尺が長くても、レンダリングの負荷はそれほど気にならなくなってきたので、試写の段階から、H.264 Blu-rayでエンコードしても、作業効率が落ちなくなっています。

MPEG2 Blu-rayでエンコードすると、レンダリング時間がかかる上に、画質も悪く、クライアントに出す試写とはいえ、画質について指摘される悪影響を考えると、試写であっても出さない方がよいのです。

MPEG2 Blu-rayのメリットとデメリット

MPEG2 Blu-rayとH.264 Blu-rayの書き出しにおける、MPEG2 Blu-rayのメリットは、H.264 Blu-rayよりレンダリングの負荷が軽く、レンダリング時間が短縮できること、素材の画質によっては、MPEG2 Blu-rayの画質でも、素材とそれほど違和感がないことがありました。

しかし、現在では、フルハイビジョンのカメラはもちろん、4Kカメラの画質は、2010年頃から比較すれば、驚くような進化と画質の向上があり、MPEG2 Blu-rayでレンダリングすると、素人感覚でみても、画質の劣化が目立つほどになりました。

SDフォーマットもHDフォーマットも、メディアは、テープからメモリーへと急速に移行が進んでいますが、それと同時に、それら大容量のメモリーを快適に扱えるように、読み書きの技術も進歩し、高速化されました。また、レンダリングにおいても、ハートウェアでは、レンダリングエンジンの向上、そして、ソフトウェアでは、ソフトレンダリングの向上があり、H.264 Blu-rayのレンダリングが遅いという印象は、現在ほとんどありません。

これに対し、MPEG2 Blu-rayは、それほど進化していない為、H.264 Blu-rayよりもレンダリング時間が長くかかってしまう現状があります。
現在、MPEG2 Blu-rayのメリットはほとんどなく、デメリットの方が多いのです。

H.264 Blu-rayの納品だけに集中するのが吉

同じ素材で、同じ画質を選択すると、現在は、MPEG2 Blu-rayのレンダリングよりH.264 Blu-rayレンダリングが短時間で終わり、さらに、データ量も少ないという結果になります。

もともと、MPEG2 Blu-rayより画質が良く、またデータ圧縮の効率も良いというのが、H.264ですが、搭乗当時のデメリットとして挙げられていたのが、レンダリング処理に時間がかかることでした。しかし、現在は、そのデメリットを感じなくなっています。

H.264 Blu-rayのメリットとデメリット

H.264 Blu-rayは、MPEG2 Blu-rayより後発の技術であるため、MPEG2の欠点を補うもの、進化するもの、として支持されている。H.264は、MPEG2よりも画質が良く、それでいて、データ容量が少なくなるというメリットを持つ。

とにかくデータ圧縮効率が良く、見た目では、劣化が気にならない。データ容量が少なるなると、大きなメリットがある。それは、ディスクに収録できる容量の制限を受けにくくなる。DVDディスクにしても、Blu-rayディスクにしても、収録できるデータ容量は上限がある。そのため、DVDでは、2時間を超える長尺の映像を1枚に収めようとすると、DVD-DLを使うか、DVD-Rなら、画質の劣化を選択するしかない。ビデオの尺が長く、それら映像の画質を高画質にしたい場合は、データ容量を少なくできるH.264の技術がありがたい。画質を保ちながら、データ容量を少なくできれば、長尺のビデオでも、高画質で、ディスクに収録できる。Blu-rayディスクでは、インタラクティブなメニューを作った場合には、それらメニューもデータの場所を必要とするので、映像のデータ容量は、効率よく圧縮できるH.264が非常にありがたく、メリットがある。

(まとめ)MPEG2 Blu-rayはもう忘れてもよい

MPEG2 Blu-rayは、同じ素材をレンダリングすると、H.264 Blu-rayよりもレンダリング処理の時間が長くかかる。また、画質が悪くなり、さらにファイル容量も多くなる。
H.264 Blu-rayは、ハードウェア環境やソフトウェア環境の急速な発展によって、レンダリングが短時間で処理できるようになり、時間的な制約が気にならない。
また、画質もよく、ファイル容量も少なく、圧縮効率が良い。

H.264 Blu-rayは、もうメリットしかない。
H.264 Blu-rayで制作する選択肢が現状一番良い。

だから、MPEG2 Blu-rayは、完全に忘れてしまって構わない。